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[補助金系業務]

【IT導入補助金】実績報告とは?必要書類や手順について解説

  • 投稿:2025年03月11日
  • 更新:2025年03月26日
【IT導入補助金】実績報告とは?必要書類や手順について解説

IT導入補助金では、交付申請を行い採択を受けた場合でもすぐに補助金が交付される訳ではなく、交付決定後に必ず「実績報告」という手続きを行う必要があります。

IT導入補助金の制度の概要や交付申請については別の記事で解説していますので、詳しくはこちらをご覧ください。
【2025年度】IT導入補助金とは?概要や申請の流れ

この記事では、申請が完了した後の実績報告の手続きについて知りたい事業者様向けに、流れや注意点を紹介していきます。
※記事では2024年度における手続きについて紹介しているため、他年度では情報が異なる場合があります。

また、主に通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)について記しています。セキュリティ対策推進枠やインボイス枠(電子取引類型)、複数社連携IT導入枠をご利用の方は少し要件が異なりますので、ご注意ください。

実績報告とは

実績報告とは

IT導入補助金の交付決定を受けた事業者は、交付申請の時に入力した内容の通りに事業実施を行ったことを、報告する必要があります。

これを「実績報告」と呼びます。

事業実施とは、下記の一連の手続きが行われることと定義されています。

(1)ITツールの契約・発注
(2)ITツールの納品・導入
(3)ITツールの代金支払い

つまり、申請通りにITツールを導入し利用を開始した、ということを証明するのが「実績報告」にあたります。

定められた期日内に実績報告を提出しないと、せっかく申請が採択されていても、補助金を受け取ることができなくなってしまいます。

実績報告は必要書類の審査が細かかったり入力システムにややクセが有ったりするほか、申請者である中小企業・小規模事業者等(補助事業者)とITベンダー・サービス事業者(IT導入支援事業者)の双方でそれぞれ手続きを行うため、余裕を持った準備・提出が肝要となります。

なお、実績報告を提出して補助金が入金された後も、数年の間は活用状況を報告する「効果報告」という手続きが義務付けられています。

交付決定後の流れ

交付決定後の流れ

では、交付決定を受けた事業者は、どのような手順で「実績報告」を進めていけばいいのでしょうか。

その流れについて、順を追って説明していきます。

STEP:1
交付決定
STEP:2
ITツールの販売・導入
STEP:3
必要書類の準備
STEP:4
実績報告の入力・提出
STEP:5
事務局による「確定検査」
STEP:6
(上記で再提出となった場合)不備訂正
STEP:7
確定検査結果の承認
STEP:8
補助金の入金

交付決定

交付申請後、申請締切日の約1ヶ月後に設定されている「交付決定日」になると、IT導入補助金事務局から採否の結果について通知されます。

2024年度では、交付決定日以降そのまま事務局の定める「事業実施期間」に移るという日程になっていました。

採択結果が出てからITツールの販売・導入や実績報告が行えるようになるため、ソフトウェアメーカーと契約の話を進めます。

ITツールの販売・導入

「事業実施期間」内に、全てのITツールの契約・納品・請求・支払いと、利用・運用の開始を行います。

ご注意ください

仮に「交付決定日」を迎える前に事業を一部でも行ったと認められた場合は、補助金の交付を受けられなくなってしまうため、必ず期間内に行うようご注意ください。

導入手続きの順序ですが、まずはじめに、契約・発注を行う必要があります。

契約後、IT導入支援事業者がITツール代金の「請求」をし、その後に「支払い」をするように指定されているので、この順序を守りましょう。

また、ツールの納品に関しては、契約後であれば請求等に前後しても問題ありません。

なお、支払い方法については、「銀行振込」または「クレジットカード1回払い」のみが認められています。

その際に何点か注意点があるため、下記をご確認ください。

【銀行振込】

  • 口座から現金を引き出しての振込は補助対象外となります。
  • 「振込依頼書」や、インターネットバンキングの場合は「振込完了画面」「取引明細画面」等の保管をしてください。
  • 個人事業主の場合、代表者本人名義の口座でお支払いください。家族などの名義の口座や法人口座での支払いは、補助対象外となります。
  • 法人の場合、代表者の個人名義の口座や他の法人口座からの支払いは、補助対象外となります。

【クレジットカード払い】

  • 一括払いで、実績報告期限内に決済が完了している必要があります。
  • 個人事業主の場合、代表者本人名義のカードであり本人名義の口座から決済されるカードにてお支払いください。
  • 法人の場合、個人名義の口座から決済されるカードでの支払いは、補助対象外となります。

必要書類の準備

実績報告に係る必要書類は、主に下記のものになります。

①請求書

②支払証憑

③ソフトウェアの利用確認

④ハードウェアの納品書(ハード導入時のみ)

⑤ハードウェアの写真(ハード導入時のみ)

⑥補助金受取口座情報

⑦従業員一覧(インボイス対応類型における「小規模事業者」のみ)

ポイント

紛失してしまうと再発行が大変な資料もあるかと思われるため、請求や支払い等のタイミングで発生する資料については、大切に保管しておきましょう。

また、詳細な注意事項などに関しては次項「実績報告の必要書類」にて説明します。

実績報告の入力・提出

すべてのITツールの「事業」が完了し書類の提出準備ができたら、申請時同様に「申請マイページ」にログインをし、入力の作業を行っていきます。
この際、申請時にマイページ上に登録していた自身の情報(従業員数や、SMS認証用の担当者携帯番号など)を変更したい場合は、実績報告の入力を始める前でないと行えないため、ご注意ください。

入力作業の流れですが、申請者(補助事業者)とIT導入支援事業者の双方が手続きを行う必要があります。

①各種書類の添付や情報の入力等(補助事業者側)

②ITツールの導入情報等の入力(支援事業者側)

③確認とSMS認証による提出(補助事業者側)

上記までの報告手続きを、該当する申請回の「事業実績報告期限」までに提出しないと、補助金の交付が取り消しとなってしまいます。

事務局による「確定検査」 <2週間前後>

提出をした実績報告について、書類や入力内容に不備が無いかを事務局がチェックします。これが「確定検査」です。

検査結果はメールで通知され、内容に問題が無ければ「確定内容承認依頼メール」というメールが、内容に修正が必要な場合は差し戻しを受け「実績報告内容確認・指摘事項メール」というメールが届きます。

確定検査にかかる期間のおおよその目安として、内容に問題が無い場合は1、2週間ほど、修正が必要な場合は概ね翌営業日ほどで、結果が返ってくることが多いです。
時期や検査内容にもよりますので、あくまで目安としてお考えください。

(上記で再提出となった場合)不備訂正

上記の「確定検査」の結果、内容に不備があり差し戻しを受けた場合は、再提出を行う必要があります。

再提出は、「事業実績報告期限」ではなく別途定められる「事業実績報告不備訂正期限」までに行えばいいのですが、そこまでにすべての不備を解消する必要があるため、早急な対応が求められます。

不備訂正期限は、報告期限の1、2週間後ほどに設定されることが多いです。また、システム上、不備訂正の再提出の際は該当する訂正箇所以外も再入力する必要があったりするため、やや面倒な作業となります。

確定検査結果の承認

確定検査が無事完了すると、「補助金確定内容の承認」を行います。
再度申請マイページにログインし、補助金交付予定額を確認のうえ、SMS認証による「承認」手続きをします。

ポイント

この手続きには特に期限等は明記されていませんが、これを行わないと補助金が入金されませんので、検査結果は注視しておきましょう。

補助金の入金 <約1ヶ月後>

この後、指定された口座に補助金が入金されます。
事務局の手引き等では約1ヶ月後とされていますが、実際にはもっと早い段階で入金されるケースも多い印象です。

実績報告の必要書類

実績報告の必要書類

それでは、実績報告でデータ提出が必要となる主な書類について、詳しく解説します。

提出後の確定検査にて、書類は細かくチェックされます。各書類の具体的なイメージ画像や細かい注意点は事務局の手引きにも記載があるため、ご確認ください。


(1)請求書

以下の情報について、記載が必要となります。

必要項目確認すべき項目
①請求日契約日以降で、支払日以前か
②請求元情報支援事業者名が確認できるか
③請求先名法人なのに屋号による請求名になっていないか
④請求金額税抜き、税込み額が明確か
⑤ITツール名(製品名)申請情報と一致しているか
⑥ITツール(数量)申請情報と一致しているか
⑦ITツール(金額)申請情報と一致しているか
⑧ITツール(利用期間)保守・サポートツール、月額・年額で利用料金が定められている
ITツールの場合、利用期間が確認できるか

(2)支払証憑

ITベンダーにITツール代金を支払ったことを証明します。「支払証憑」の用意は、審査も細かく手間がかかることもしばしばあります。

必要項目確認すべき項目
①金融機関名利用した金融機関名の記載があるか
②振込日請求日以降か
③振込元情報口座番号、口座名義人が確認できるか
※「振込依頼人」や「連絡先名」はNG
④振込先情報口座番号、口座名義人が確認できるか
⑤振込金額ITツールの請求金額以上が支払われているか
⑥振込が完了していること・銀行振込の場合、通帳の表紙+取引ページ
・ネットバンキングの場合、振込完了の記載等があるか
⑦口座から口座への振込補助事業者の口座から支援事業者の口座へと振込が行われていること

この中でも「③振込元情報・④振込先情報・⑥振込が完了していること」辺りは示すのが難しく、複数の書類や画面を組み合わせることが多いです。

例えば銀行振込の場合、【ATMの利用明細や窓口での振込依頼書(④等を証する)】+【通帳の表紙(③等を証する)】+【通帳の該当する取引ページ(⑥等を証する)】を、一つのファイルにまとめて提出する形になります。

ポイント

振込依頼書やネットバンキングの画面は、銀行によっては再発行が難しいこともあるため、紛失しないよう保管しましょう。


(3)ソフトウェアの利用確認

ソフトウェアを利用していることを証明するために、下記の情報が写っている画面キャプチャ(スクリーンショット)を提出します。

複数種類のソフトウェアを導入した場合は、それぞれの画面が必要です。

確認すべき項目確認すべき項目
①ソフトウェア名ソフトウェアの名称が確認できるか
②補助事業者名名前が載った画面を出力できない場合は、契約書等を追加で添付する

(4)ハードウェアの納品書(ハード導入時のみ)

PCやPOSレジなどハードウェアを導入した場合は、納品書を提出します。

必要項目確認すべき項目
①納品日契約日より後になっているか
②納品元情報支援事業者の名前があるか
③納品先名法人なのに屋号による納品先名になっていないか
④ITツール名(製品名)内容の内訳まで記載しているか
⑤ITツール名(数量)申請時の情報と一致しているか

(5)ハードウェアの写真(ハード導入時のみ)

導入したハードウェアを、設置状態がわかるよう撮影します。

下記の①と②の2種類の写真を撮り、1つのファイルにまとめて提出します。この「ハードウェア写真」も審査が細かく、やや面倒な場合もあります。

必要項目確認すべき項目必要項目
①設置した状態の写真全てのハードウェア、付属品を撮影
②ラベルの貼付が確認できる写真全てのハードウェア、付属品に、「IT導入補助金2024」などと書いたシール等を作り貼付後、撮影

複数のハードウェアやその付属品を導入している場合は、全てを写します。付属品が細かく一枚の写真に収まらない時は、何枚かに分けて撮影してください。

ハードウェアや各付属品には、補助金事業で購入したことを示すラベルを貼り付けますが、ハードウェアが複数ある場合はそれぞれに枝番を振ってください。

また、PCやタブレットなどは、導入したソフトウェアの起動が確認できる必要があります。ソフトウェアの利用確認用でスクリーンショットを撮った画面を立ち上げて写せば、確実だと思われます。


(6)補助金受取口座情報

補助金を受け取る用の口座の情報を、ファイルとして提出します。

金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義人等の情報が確認できる必要があり、通帳がある場合は【通帳表紙+通帳表紙の裏面】の写真を提出します。

インターネットバンキングの場合は、【上の情報がすべて確認できる画面】をキャプチャしてください。

ご注意ください

法人の場合は法人名義の口座、個人事業主の場合は代表者名義の口座である必要があります。法人なのに代表者の個人口座を使ったり、個人事業主で家族名義の口座を使ったりしないようにしてください。


(7)従業員一覧(インボイス対応類型における「小規模事業者」のみ)

交付申請の際に、「小規模事業者」として申請した方のみが対象です。

「小規模事業者」とは、『商業・サービス業の場合従業員数が5人以下』等の条件を満たした時、インボイス対応類型においてやや高い補助率が適用される枠組みです。

申請マイページにログインすると雛形のExcelがダウンロードできるため、自社の情報を入力し、PDF等のファイルに変換して提出してください。

ご注意ください

交付申請時に登録した従業員数と「従業員一覧」に記載する人数に差があると不備となってしまうため、実績報告を行う前に申請マイページから「情報変更」の手続きを行ってください。

まとめ

IT導入補助金の実績報告は、補助金を受け取るために必要な重要な手続きです。

交付決定後、ITツールの導入や支払いを完了し、請求書や支払証憑などの書類をそろえた上で、期日までに報告を行う必要があります。

提出後は事務局の確定検査が行われ、不備があれば修正対応が求められます。

2023年度以前と比べ検査基準が細かくなっている部分もあるため、書類の内容を事前にしっかり把握しておくことが大切です。

また、支払い方法や契約の順序を誤ると補助対象外となる場合があり、慎重に手続きを進める必要があります。

補助事業者と支援事業者が連携を取って、期限を守り正しく実績報告を行うことで、スムーズに補助金を活用できるようになります。

よくある質問・不備の事例

Q 実績報告の提出期限はどこで確認できるか。

事務局ホームページの事業スケジュールに、各申請回ごとの実績報告期限・不備訂正期限が随時更新されていきます。後半の方の申請回になると、報告期限・不備訂正期限にあまり猶予が無いという場合もあるため、ご注意ください。

事業スケジュール|IT導入補助金2024

Q 実績報告の内容を間違えて提出してしまった場合、修正できるか。

提出完了後は、事務局から不備訂正依頼で差し戻しとなるまで、内容は修正できません。不備の場合はすぐ戻ってくることが多いため、それを待ちましょう。

Q 申請時に交付決定を受けたITツールの導入内容を、変更できるか。

申請内容と実際の契約内容が異なる場合でも、実績報告時に整合性の取れた変更理由を併記できれば、基本的には認められます。変更後の内容に応じた「補助金申請額」を入力しましょう。

ただ、カテゴリーが「ソフトウェア」のツールの導入取りやめに限っては、認められません(導入数を減らすのは可)。詳細は、下記の事業実施・実績報告の手引きをご覧ください。

事業実施・実績報告の手引き|IT導入補助金2024

Q 事務局へ提出する添付ファイルのサイズが大きくなってしまう。

ファイルは10MB未満でないと添付できません。多くの画像を一つのファイルにまとめるため10MBを超えることもあるかもしれませんが、PDFの容量を圧縮できる無料のサイト等もあるので、探してみてください。

Q 【請求書】年数等の内訳の不記載について、不備となった。

請求書に契約内容の詳細が載っていない場合、請求書自体に補記をするか、申請マイページからダウンロードできる「請求・支払内訳シート」の作成が必要です。

Q 【支払証憑】振込の完了が確認できないことについて、不備となった。

支払証憑は、不備の温床です。ネットバンキングで取引状況が「承認済」等になっていても、証憑を出力した日時次第では差し戻しになることもあります。

下記、事業実施・実績報告にあたって重点確認事項に基本的なポイントがまとまっているので、参照してください。

事業実施・実績報告にあたって重点確認事項|IT導入補助金2024

Q 【従業員一覧】従業員数について、不備となった。

申請時から従業員数の増減があった場合は、予め申請マイページから「情報変更(申請あり)」の手続きをしてください。情報変更が認められた後、実績報告に移ります。

なお、従業員数が増えて「小規模事業者」の対象から外れた場合は、補助率の優遇も適用されなくなってしまいます。通常通りの補助率で「補助金申請額」を入力してください。

Q 【口座情報】口座名義(カナ)の入力内容について、不備となった。

半角スペースの有無や法人格の表記揺れなど、細かい差異でも確認されます。基本的には通帳の表紙裏に記載されている名前が正ですが、金融機関によっては異なるケースも若干数存在します。

Q 【支援事業者側の入力】契約・納品・支払担当について、不備となった。

コンソーシアムの場合、各ツールの契約等の担当を指定する必要があります。「構成員を検索」から、該当の構成員を選択してください。

Q 【支援事業者側の入力】「受領額(証憑に記載されている支払額)の合計」について、不備となった

提供された支払証憑に記載の金額に沿って、振込手数料を含まない金額を入力してください。ただ、支援事業者が手数料を負担した場合は、手数料込の金額となります。

Q 再提出が必要になった場合、どの部分を修正すればよいか分からない時はどうすればよいか。

複数回再提出を試みれば「不備内容」がわかりやすい文章になる可能性もありますが、困った場合は下記URLから事務局への問い合わせもご検討ください。

お問い合わせ・相談窓口|IT導入補助金2024

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