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【2025年度】IT導入補助金とは?概要や申請の流れ

  • 投稿:2025年01月16日
  • 更新:2025年03月28日
【2025年度】IT導入補助金とは?概要や申請の流れ

IT導入補助金は、経営課題を解決するためにITツールを導入したい事業者を、支援する補助金です。
この記事では、IT導入補助金の申請を考えている中小企業や個人事業主の方、補助金の活用を検討しているITベンダーの方に向けて、2025年度のIT導入補助金の概要や申請フローをわかりやすく解説していきます。

3月現在、2025年度版の公募要領や手引きなどの資料が公開されており、3月31日の交付申請受付開始に向けての準備が進んでいます。詳しくは公式HPをご覧ください。
IT導入補助金2025

IT導入補助金とは

IT導入補助金とは

IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金)とは、中小企業・小規模事業者等に対し、生産性向上に資するITツール(ソフトウェアやシステム、ハードウェア等)の導入時の経費を一部補助する制度です。

補助対象となるITツールは幅広く、定型業務の自動化ツールや顧客管理システム、会計ソフトや医療機関のレセコンなど、補助金を上手く活用することでより導入がしやすくなります。

IT導入補助金の申請は、申請者である「中小企業・小規模事業者等(補助事業者)」が、事前にIT導入支援事業者として登録申請をした「ITベンダー・サービス事業者(IT導入支援事業者)」から、ITツールを導入するという流れになります。

各種申請・手続きを進めるためには、共に事業を実施するパートナーとして、補助事業者と支援事業者との互いの密な連携が不可欠とされます。

補助対象となる申請枠

補助対象となる申請枠は「通常枠」・「インボイス枠(インボイス対応類型)」・「インボイス枠(電子取引類型)」・「セキュリティ対策推進枠」、「複数社連携IT導入枠」に分かれており、それぞれ補助額や対象などが異なります。
なお、2023年度にあった「デジタル化基盤導入枠」は廃止となり、2024年度より「インボイス枠」が新たに設定されています。

このうち、対象範囲が広く一般的な申請枠となっているのが「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型)」の二つであり、申請数・採択数の大部分を占めています。

ここでは、この二つの申請枠の大まかな相違点について、触れていきます。

通常枠インボイス枠
1プロセス以上4プロセス以上インボイス対応類型
補助額5~150万円未満150~450万円~50万円 ※1、50~350万円 ※2
補助率経費の1/2
最低賃金近傍の事業者は2/3)
経費の2/3
(補助額~50万円は3/4or4/5 ※3
補助対象生産性向上のための
ソフトウェア等
インボイス対応の会計/受発注/決済ソフトウェア等+ハードウェア

※1 「会計」「受発注」「決済」のうち1機能以上を有することが機能要件
※2 「会計」「受発注」「決済」のうち2機能以上を有することが機能要件
※3 補助額50万円以下の部分については、中小企業は補助率3/4、小規模事業者は補助率4/5

A.通常枠

  • 事業の目的
    通常枠では、申請を行う補助事業者が、生産性向上のためのプロセスの改善と効率化に資するようなソフトウェア等の導入の補助が目的となっています。

  • 対象ツール
    通常枠で申請できるITツールとしては、ソフトウェアの導入費用(利用期間は最大2年分)のほか、オプションの費用(機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ対策)、役務の費用(導入コンサルティング・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート)が、補助対象となります。

    またソフトウェアは、下記の業務プロセスから1種類以上を満たしている必要があります。
    各プロセスについての細かい機能例や注意点は、『ITツール登録要領』の末尾にある「(別紙2)業種・プロセス一覧」をご覧ください。

①顧客対応・販売支援

②決済・債権債務・資金回収

③供給・在庫・物流

④会計・財務・経営

⑤総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム・統合業務

⑥各業種ごとに固有のプロセス

(⑦汎用・自動化・分析ツール)
※⑦に関しては「汎用プロセス」と呼ばれ、こちらのみでは単独では交付申請を行うことができず、他プロセスと組み合わせた場合のみ1プロセスとしてカウントされます

ご確認はこちらから

  • 補助額・補助率
    通常枠の補助額は、下限が5万円から、上限が450万円までとなっています。ただ、補助額150万円以上450万円以下で申請するには、「顧客対応・販売支援」や「会計・財務・経営」などといった上記『プロセス』の数が4種類以上あるソフトウェアを申請する必要があるほか、賃金引上げ計画の表明が必須になるなど、条件が大きく限られてきます

    また、補助率は対象ツールの経費の2分の1となります。しかし、2025年度より新たに、最低賃金近傍の事業者(3か月以上、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員数が全従業員の30%以上であることを示した事業者)は、補助率の3分の2への引上げが可能になりました。補助率引上げを受けるには、後述する『賃金状況報告シート』の提出が必要です。

B.インボイス枠(インボイス対応類型)

  • 事業の目的
    インボイス枠(インボイス対応類型)では、生産性向上を支援するとともに、インボイス制度に対応するためのデジタル化の推進が目的となっており、通常枠よりも高い補助率が設定されています。
  • 対象ツール
    この枠では、通常枠では補助対象とならないPC・タブレットやプリンター、POSレジなどといったハードウェアに関しても、ソフトウェアと同時に導入する場合においては、補助対象ツールとして申請することが可能となります。

    申請できるITツールとしてはソフトウェアの導入費用、オプションの費用、役務の費用、ハードウェアの導入費用になりますが、ソフトウェアに関してはインボイス制度に対応しており、『会計・受発注・決済の機能』を1種類以上含んでいるものである必要があります。

  • 補助額・補助率
    インボイス枠の補助額は、下限は無く350万円までとなります。ただ、補助額50万円以上350万円以内で申請できるのは、上記『会計・受発注・決済の機能』のうち2種類以上を含むようなITツールを導入する場合に限られます

    ソフトの補助率については、補助額50万円までは基本的に4分の3(「小規模事業者」※ に該当する場合は5分の4)、50万円を超える部分では3分の2となります。
    また、ハードの補助率は2分の1です(補助額の上限は、PC・タブレット等は10万円まで、レジ・券売機等は20万円までとなります)。
    ※「小規模事業者」の要件については後述

補助対象となる事業者

IT導入補助金の申請対象者となる「中小企業・小規模事業者」とは、「日本国内で法人登記され、日本国内で事業を営む法人又は個人」とされています。

補助対象となる事業者の要件は、下記のように業種ごとに条件が定められています。
資本金と従業員規模が条件となっている会社・組織に関しては、資本金と従業員規模どちらかがこの数字以下であれば、申請対象となります。

<一般の会社及び個人事業主>

業種分類資本金(資本金の額又は出資の総額)従業員数(常時使用する従業員)
製造業、建設業、運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業3億円900人
ソフトウェア業又は
情報処理サービス業
3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人

<それ以外の法人>

業種分類資本金(資本金の額又は出資の総額)
医療法人、社会福祉法人300人
学校法人300人
商工会・都道府県商工会連合会
及び商工会議所
100人
中小企業支援法第2条第1項第4号に
規定される中小企業団体
主たる業種に記載の従業員規模
特別の法律によって設立された組合
またはその連合会
主たる業種に記載の従業員規模
財団法人・社団法人(一般・公益)主たる業種に記載の従業員規模
特定非営利法人主たる業種に記載の従業員規模

<小規模事業者>
上記の定義に該当する中で、さらに以下の条件を満たす場合「小規模事業者」となり、インボイス枠(インボイス対応類型)等での申請の際に補助率が高くなるなど、一部優遇措置が存在します。

業種分類従業員数(常時使用する従業員)
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下
参考:申請の対象となる方|IT導入補助金2025

また、上記の要件を満たしている場合であっても、大企業から半数以上の出資を受けている事業者やIT導入支援事業者(構成員を含む)として登録されている事業者、または反社会的勢力に関係する事業者や宗教法人など、申請の対象外となるケースもあります。

スケジュール

2024年度の事業スケジュールでは、2024年2月16日に交付申請の受付が開始し、その後10月15日締切の最終公募までに、基本的に通常枠では月1回程度、インボイス枠(インボイス対応類型)では月2回程度の締切日が設定されていました。

2025年度はまだ一部しか確定していませんが、現状下記のようになっています。
交付申請が2025年3月31日から受付開始され、通常枠とインボイス枠の募集回が同じペースで進んでいく形となりました。
なお、IT導入支援事業者・ITツールの新規登録申請についても、3月31日以降の受付となります。

<通常枠>

申請回申請締切日交付決定日事業実績報告期限
1次5/12(月)6/18交付決定~25/12/26
2次6/16(月)7/24交付決定~26/1/30
3次7/18(金)9/2交付決定~26/2/27

<インボイス枠(インボイス対応類型)>

申請回申請締切日交付決定日事業実績報告期限
1次5/12(月)6/18交付決定~25/12/26
2次6/16(月)7/24交付決定~26/1/30
3次7/18(金)9/2交付決定~26/2/27
参考:事業スケジュール|IT導入補助金2025

※以降のスケジュールは随時更新

申請に必要なもの

申請に必要なもの

1)GビズIDプライムアカウント(必須)

様々な行政サービスにログインできる共通認証システムである、GビズIDの取得(無料)が必要になります。

アカウント登録はこちらから

GビズIDにはプライム、メンバー、エントリーというアカウントの種類がありますが、IT導入補助金の申請ではプライムアカウントが必要になります。

取得申請には下記の2通りの方法があります。

  • 書類郵送申請・・・申請書に実印を押印、印鑑証明書を同封し、郵送で申請(発行まで1週間程度)
  • オンライン申請・・・マイナンバーカードを読み取って申請(即時発行)
    ※すべての法人種別で、オンライン申請に対応できるようになりました。
ご注意ください

特に書類郵送での申請をする際は発行までに期間を要するため、余裕を持って手続きをするようご注意ください。

2)必要書類(必須)

法人の場合と個人事業主の場合とで、それぞれ下記の書類(直近期の有効な書類)の提出が必要となります。

また必要書類に関しては、指定された様式以外の書類は基本的に認められないことが多いため、事前に事務局の手引きで注意点をよく確認した上でご用意ください。

ご確認はこちらから

<法人の場合>

  • 履歴事項全部証明書:発行から3か月以内のもの
  • 納税証明書:税務署発行の、直近分の法人税の納税証明書(その1またはその2)

<個人事業主の場合>

  • 本人確認書類:運転免許証、運転経歴証明書、住民票(発行から3か月以内のもの)
  • 確定申告書の控え:税務署の受領が確認できる、直近分のもの
  • 納税証明書:税務署発行の、直近分の所得税の納税証明書(その1またはその2)

3)「SECURITY ACTION」宣言の実施(必須)

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している、情報セキュリティ対策に取り組むことを「自己宣言」する制度です。

IT導入補助金2025では『自己宣言ID』の取得が申請要件となっていますが、取得には申し込みから1週間程度を要することがあるため、余裕を持った手続きが必要です。
また、「自己宣言」には「★一つ星」と「★★二つ星」の2段階の宣言がありますが、IT導入補助金の申請に用いる場合はどちらでも要件を満たすことができます。

下記、公式サイトの「自己宣言申込みフォーム」から、取得を行えます。

取得はこちらから

4)「IT戦略ナビwith」の実施(任意)

2024年度まで「みらデジ」というポータルサイトの「経営チェック」が通常枠において必須要件となっていましたが、みらデジの事業終了に伴い、2025年度では新たに「IT戦略ナビwith」の実施が任意の加点要件となりました
「IT戦略ナビwith」とは、中小企業のデジタル・IT化を進める際に役立つ情報やツールを提供するポータルサイト「デジwith」のサービスの一環です。

いずれの申請枠においても、「IT戦略ナビwith」実施時にGビズIDを入力したうえで結果画面のPDFを添付することで、審査で加点を受けられます。

ご登録はこちらから

5)賃金状況報告シート ※通常枠のみ(任意)

先述の通り、通常枠では基本的に補助率が1/2であるところ、2025年度より新たに『3か月以上、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員数が全従業員の30%以上であることを示した』場合は、補助率2/3の適用が希望できるようになりました。

通常枠の補助率引上げには「賃金状況報告シート」を提出する必要があります
所定のExcelフォーマットをダウンロードし、従業員氏名や事業所所在地、直近3か月の給与等を入力し、Excelファイルのまま添付します。

申請・その後の手続きの流れ

必要書類などの準備、申請内容の作成ができると、「交付申請」が行えます。
しかし、交付申請を行っただけでは補助金の交付を受けることはできず、交付決定以降にも報告手続きを行う必要があります。

ご注意ください

交付決定日で正式に採択となる前に契約・請求・納品・支払いなどを行った場合は、補助金の交付を受けることができなくなってしまいます。

必ず、交付決定日以降、該当する申請回の事業実績報告期限内で、上記の手続きを行うようご注意ください。

IT導入補助金に関わる手続きの順序の簡単な紹介と、「交付申請」についてのより詳しい解説を記します。

手続きの時系列

①事業者登録 ツール登録・・・補助金申請の前に、ITベンダーによる登録が必要

②事前準備・・・先述したGビズIDや必要書類等の準備

③交付申請・・・申請者情報・経営状況や導入するITツールの選択など、申請内容を作成。補助事業者(申請者)側とIT導入支援事業者側の、双方による入力作業が必要。

④交付決定・・・申請内容に関して事務局での審査が行われ、採択結果の通知がされる
(申請締切日より約1か月後に設定されている「交付決定日」)

⑤ITツールの販売・導入・・・交付決定後に、対象ITツールの契約・納品・請求を行う

⑥実績報告・・・導入されたITツールについて、支払情報などを報告する

⑦補助金入金・・・実績報告後、事務局での検査が行われ、補助金の交付がされる
(検査結果の「承認」後、約1か月後)

⑧効果報告・・・交付後翌年以降、導入状況について1回以上報告を行う

交付申請の流れ

上記③で紹介した交付申請について、その詳細を取り上げます。

①申請マイページの開設

それぞれの申請者がIT導入補助金の各種手続きを行うための専用のページを開設します。
IT導入支援事業者が申請マイページの招待を行い、各補助事業者は届いたメールから申請マイページの開設手続きを行います。

※GビズIDでログインをするため、事前にGビズIDアカウントの準備が必要です。

②申請者情報の入力(補助事業者側の手続き)

申請内容を作成し、申請マイページ上で入力を行います。
入力する内容については、法人・個人事業主、申請枠などによって異なりますが、主な内容は以下になります。

【入力する主な申請内容】

  • 事業者名、所在地、業種、設立年月日、決算月など基本情報
  • 事業概要を説明し、ITツールの活用などについて記載する250字程度のフリー欄
  • 担当者・代表者の氏名や電話番号など
  • 従業員の数や雇用形態
  • 法人の役員情報や法人番号
  • 決算書に基づく財務情報
  • 経営状況に関する設問への選択回答
  • 準備した必要書類の添付

選択式の回答項目が主ですが、記入式の項目もいくつかあるため、注意して入力を進める必要があります。またフリー記載欄では、自社の状況や経営課題、ITツールを導入する必要性などをアピールしたいところです。

行政書士:藤原 和重

行政書士:藤原 和重

③ITツールに関する情報の入力(IT導入支援事業者側の手続き)

今度は、ITベンダー(支援事業者)による作業になります。

申請者による入力を受けて、ITベンダーがその内容の確認とITツールに関する情報を入力します。導入するITツールを選択し、導入数量や導入価格、補助金申請額などを入力していきます。

④賃金に関する情報の入力(補助事業者側の手続き)

上記が完了すると、今度はさらに申請者自身での作業に移ります。
申請要件を確認した後、事業所内の賃金に関する状況を回答します。

また、『従業員への賃金引上げ計画の表明』について、その有無と、表明を行う場合は賃上げ幅や従業員の氏名などを入力します。なお、この項目については、「通常枠(補助額150万円未満)」や「インボイス枠」などにおいては、必須要件ではなく加点項目となります。

ポイント

通常枠の場合は、直近の決算期の数値をもとに「労働生産性指標の計画数値」を3年分設定する必要があります。

⑤事務局への提出

交付申請情報の入力が完了したら、事務局への提出を行います。
担当者携帯電話として登録した電話番号にSMS(ショートメッセージサービス)で認証コードが届くため、コードを入力して提出完了となります。

以上の手続きを各公募回の申請締切日までに終えることで、事務局による審査に進むことができます。

ご注意ください

繰り返しとなりますが、各回の交付決定日前にITツールの導入手続きを進めてしまうと補助金の交付が受けられなくなるため、ご留意ください。

採択結果については、交付決定日になると事務局からメールで通知が届くため、申請マイページにログインをして確認を行ってください。
採択となった場合は、ITベンダーと商談の上、ITツールの導入や支払いを進めます。その後の「実績報告」のために支払いの証憑の保存などいくつか注意点があるので、事務局の手引きをよくご確認ください。

また、「実績報告」について詳細は、こちらの記事もぜひご覧ください。

【IT導入補助金】実績報告とは?必要書類や手順について解説

2024年の採択率と、審査のポイントについて

2024年の採択率と、審査のポイントについて

IT導入補助金はせっかく労力をかけて申請手続きを行っても審査の結果不採択となることもあるため、審査のポイントを抑えた申請内容を作成する必要があります。

2024年の採択率

参考までに、2024年度IT導入補助金の全国採択率を記載します。

<通常枠>

申請回(申請決定日)申請件数採択件数採択率
1次(4/24)1,5761,18975.4%
2次(5/27)2,3351,76075.4%
3次(6/26)2,9122,20675.8%
4次(7/29)3,2862,52176.7%
5次(8/30)3,5772,76277.2%
6次(10/3)5,8814,64879.0%
7次(11/22)5,5731,45426.1%
合計25,14016,54065.8%

<インボイス枠(インボイス対応類型)>

申請回(申請決定日)申請件数採択件数採択率
1次(4/24)1,6071,53195.3%
2次(5/8)1,5481,45794.1%
3次(5/27)2,0611,94494.3%
4次(6/6)2,0611,95795.0%
5次(6/26)2,8302,66694.2%
6次(7/8)2,1962,07694.5%
7次(7/29)3,1512,92492.8%
8次(8/8)2,4082,26994.2%
9次(8/30)2,9782,76692.9%
10次(9/9)3,7973,56793.9%
11次(10/3)10,0439,03690.0%
12次(11/22)11,7141,24510.6%
合計46,39433,43872.1%
参考:申請数及び交付決定数|IT導入補助金2024

やはり通常枠・インボイス枠ともに目を引くのは、最終回となった11月22日交付決定の申請回の採択率の低さかと思われます。
ただ、この回は「追加公募」という名目で申請が受け付けられた申請回であり、他と異なり予算の枠自体が限られたものであったことに起因すると見られるため、例外的な数値だと考えられます。

25年度はまた採択率がある程度戻ってくると予想されますが、後半の申請回になるにつれ申請件数が増加し審査が厳しくなる可能性もありますので、早い段階から試みるのが得策かもしれません。

審査項目

事務局から細かい審査基準の情報が提供されている訳ではありませんが、「公募要領」から、審査項目の概要に関しては確認することができます。

申請枠によって審査項目は異なりますが、通常枠では下記が掲載されています。

【事業面からの審査項目】

  • 自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているか
  • 自社の状況や課題分析及び将来計画に対し、改善すべきプロセスが導入する「ITツール」の機能により期待される導入効果とマッチしているか
  • 内部プロセスの高度化、効率化及びデータ連携による社内横断的なデー タ共有・分析等を取り入れ、継続的な生産性向上と事業の成長に取り組んでいるか 等

【計画目標値の審査】

  • 労働生産性の向上率

【政策面からの審査項目】

  • 生産性の向上及び働き方改革を視野に入れ、国の推進する関連事業に取り組んでいるか 
  • 国の推進するセキュリティサービスを選定しているか
  • 加点項目の賃上げに取り組んでいるか

加点項目

また、審査での採択率を高める「加点項目」がいくつか設定されています。

こちらも申請枠によって項目は異なりますが、通常枠(補助額150万円未満)における加点対象をいくつか挙げます。

  • 以下の要件を満たす賃金引上げの事業計画を策定し、実行すること

    ・事業所内で最も低い賃金の水準を地域別最低賃金+30円以上にすること
    ・今後3年間において給与支給総額を年平均1.5%以上向上させること
  • 「デジwith」における「IT戦略ナビwith」を交付申請前に行っていること
  • 女性活躍推進法に基づくえるぼし認定を取得していること
  • 次世代育成支援対策推進法に基づくくるみん認定を取得していること
  • ITツールとして「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選定していること

上記のうち、特に最初の賃金引上げ計画の表明については重視されていると見られ、また加点項目の中でも比較的取り組みやすいものとなっています。

「表明」をしない場合に必ず不採択に繋がるというものではありませんが、審査における採択の確率をより高めたいときは、表明を行うことをお勧めします。

行政書士:藤原 和重

行政書士:藤原 和重

まとめ

まとめ

IT導入補助金は、中小企業や個人事業主がITツールを導入しDX化を推し進めることで経営課題を解決するための支援策であり、またITベンダーにとっても、自社の商品・サービスを半額等で提供できることで新規顧客への営業力を大きく高めてくれる制度です。

申請手続きや事業計画の作成には時間や手間を要するほか、書類を1箇所でも間違うと差し戻しとなったり場合によっては不採択となったりしてしまいます。

申請方法や交付決定までの流れ・注意点を把握し、必要な書類や手続きをしっかりと準備することが成功の鍵となります。

申請を通じて業務の効率化や生産性向上の目標を実現し、ビジネスの成長に繋げましょう。

FAQ

Q 2023年度・2024年度IT導入補助金からの変更点はあるか。

23年から24年への主な変更点としては、「インボイス枠」が新設となったほか、ECサイト制作が補助対象外となりました。また、加点項目などについても一部変更があります。

25年への主な変更点としては、通常枠での最低賃金近傍の事業者への優遇や、役務についていくつか条件が追加され更に「活用コンサルティング」が増えたこと、「IT戦略ナビwith」が始まったことなどが挙げられます。また、実績報告や効果報告についても一部変更があります。

Q IT導入補助金によるデメリットはあるか。

申請やその後の後年報告には相応の時間や手間がかかる上、申請しても不採択となるリスクがあります。そのため、今すぐにITツールを導入したいという場合には不向きと言えるかもしれません。

またITベンダーにとっては、補助金の申請期間外における販売不振の可能性も考えられます。

Q 補助金の交付のタイミングはいつ頃か。

「実績報告」を提出後に事務局での検査が入り、2週間ほどでその結果が通知されます。

提出内容に不備が無くスムーズに進んだ場合は、検査結果の「承認」の操作を行った後、1か月ほどで入金となります。

Q どのようなITツールが補助金の対象になるのか、具体的な例を知りたい。

事務局のホームページに、個別の導入事例が紹介されています。また『ITツール検索からIT導入支援事業者を選択』というページから、実際にどのようなツールが登録されているのかを検索・選定することができます。

Q 審査で不採択となった場合、再申請は可能か。

一度不採択となってしまっても、次回以降の申請回で再度申し込みができます。事業計画や賃上げ要件、導入ツールなどの見直し、入力内容の確認を徹底して、採択の確率を高めましょう。

Q 過去のIT導入補助金の交付を受けている場合でも、申請は可能か。

過去12か月以内に、通常枠での交付決定を受けている場合は通常枠での、インボイス枠での交付決定を受けている場合はインボイス枠(インボイス対応類型)での申請などは、行えません。

それ以前の交付を受けている場合や同一年内でも通常枠とインボイス枠とで申請を行う場合などは、審査の際に減点を受けるケースもありますが、申請が可能です。ただし25年より、「23年24年に導入したソフトウェアと『プロセス』が完全一致する場合は不採択」、という措置が公募要領に記載されています。

Q 賃上げ表明による加点を得た後、計画が未達となった場合どうなるか。

賃上げを表明した場合「効果報告」時にその状況を報告しますが、賃上げが加点要件となる通常枠(補助額150万円未満)やインボイス枠では、要件を達成できなかった場合でも補助金の返還規定などはありません。

ただ未達の場合はその後18か月の間、中小企業庁の所管する他補助金への申請時に、審査で大幅な減点を受けることがあります。近いうちに他の補助金の申請を考えている時は、その点をご留意ください。

Q IT導入補助金の問い合わせ先、相談窓口について。
  1. 事務局のコールセンターの電話番号は以下になります。「公募要領」や「手引き」、「よくあるご質問」を確認の上、関連する詳細な質問などは問い合わせしましょう。

 お問い合わせ・相談窓口|IT導入補助金2025
 資料ダウンロード|IT導入補助金2025
 よくあるご質問|IT導入補助金2025

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